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ホテル・アーカイブズ通信 - http://www.hotel-archives.org
HOTEL ARCHIVES
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ごあいさつ
このメールマガジンは、実際に泊まったホテル・リゾート・旅館を、泊まった人の視点でご紹介する目的で 発行しております。 国内、海外をアットランダムに取り上げていきますが、将来きちんと整理してデータベースにしていこうと思っております。

昨年末、1年の締めくくりにと出かけた那須で、コストパフォーマンスがよくて、居心地がよくて、食事が美味しい、三拍子そろった旅館にめぐりあいました。 那須高原の宿 山水閣です。通された客室があまりに普通だったので、この値段だからこんなものかと思っていたのが、最後にはこの値段でいいのかしらと 思えるほど、すっかりファンになってしまいました。長年培われたサービスの真髄が活かされ、さらに磨かれつつある、これからも期待できる、 すばらしい旅館でした。
「ホテル・アーカイブズ通信」 発行人
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TODAY'S HOTEL Volume.32
Released at 13 Jan. 2004
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那須高原の宿 山水閣
基本情報 | basic info about hotel
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名称:
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那須高原の宿 山水閣
所在地: 栃木県那須郡那須町湯本206
TEL: 0287-76-3180
FAX: 0287-76-3080
室数: 19室(うち7室露天風呂付き) 離れ1棟
主な施設: お食事処 ラウンジ ショップ 大浴場2 貸切露天風呂2
URL: http://www.sansuikaku.com/
プロフィール: 1951年開業の生粋の日本旅館が2001年にリニューアルして、和モダンの宿に変身。 つい最近貸切露天風呂が完成して、楽しみが増えた。自前の田んぼで丹精したお米を使うなど、食材にこだわった月替わりの料理が特色。 昼食付き日帰り入浴プランもある。
泊まった部屋: 狭霧(さぎり)の間 
1泊2食付2名利用の1名 17,000円(サ込税別)
撮影時期: 2003年12月
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詳細情報 | Details
zoom 写真をクリックすると拡大写真がご覧になれます。

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山水閣は、那須高原の中心である那須湯本温泉の温泉街から2kmほど離れた静かな林の中にある。 車で宿に着くと、スタッフが駐車場に案内してくれ、荷物を持って建物へと向かう。ちょうど正月前だったので、玄関には門松が飾られていた。
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広々したロビーは、そこここにアンティーク品を配し、配色のバランスもよく上品な雰囲気。 窓際には、何組かのソファーが並べられ、庭を見ながらくつろげる。奥に見えるショップには、草木染のインド木綿を使った衣服や、 自家製の漬物類・煮物類(美味)など個性ある商品が揃えられ、宿のポリシーの一端が感じられた。
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ロビーの一角にあるラウンジ。チェックインの際にはここに案内され、コーヒーと、なぜか味噌おでん!をいただいた。 夜10時までと翌朝8時から、コーヒーが無料でサービスされるのが嬉しい。セルフサービスが基本だが、スタッフの手が空いていれば、 さりげなくサービスしてくれて感じが良い。
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いかにも旅館旅館した客室。客室の内装は、大幅なリニューアルはしていないようだった。 この部屋は、洗面所とトイレのみで浴室は付いていない。夕食の際、スタッフから 「明日のご朝食の間に、ご希望でしたらふとんをお上げできますし、そのまま敷いておくことも可能ですが、いかがいたしましょうか」と聞かれた。 こういう申し出は初めてだったが、ほんの少しの時間でも居心地をよくしようという姿勢がすばらしいと思った。
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部屋にあるシンプルな洗面所。中央やや右にあるのは炭を使った石鹸である。 「炭」は、この宿の基本コンセプトの1つらしく、大浴場には炭シャンプー、部屋の中には小さな炭俵がインテリアとして置かれているうえ、 ショップにもさまざまな炭製品が並んでいた。
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部屋にそなえてある竹かごは1人に1つずつあり、入浴に出かける際に使う。 十分な大きさがあるので、タオル類や着替えがすっぽり入って便利。いつも、持参した小さな風呂敷に包んでいて、 適当な入れ物があればいいのにと思っていたことがかなえられて嬉しかった。
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この時はまだ貸切の露天風呂が工事中で、別館の貸切の家族風呂を利用した。浴槽は4人家族で入れるほどの大きさがあった。 さらっとしたお湯は美肌効果があるという。庭づたいに向かう途中、昨年8月に完成したばかりの離れを見かけた。 本館にある、広々した男女別の大浴場は24時間利用することができる。
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夕食はモダンな食事処でとる。レストラン形式だが、子供づれやグループには個室が用意されている。 できるだけ地の物を提供するということを意識した食事はヘルシーで、量もちょうど良い。中でも絶品だったのが写真のきのこ鍋。 シャッキリ茸という聞いたことのないキノコが美味だった。白子豆腐やあんきも入りの茶碗蒸しなど疑問符のつく数品もあったが、 全体にだしの取り方が秀逸でプロの技を感じさせる内容。
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この宿でもっともポイントの高かったのは朝食。8時から9時半頃の好きな時間を選べ(11時チェックアウト)、 希望すれば1人1,000円の追加料金で11時朝食12時チェックアウトという朝寝坊プランも選択可能。 テーブル一杯に並ぶ品数は13〜14品と多いが、地元の高原牛乳も100cc程度といった具合に、どれもほんの少量ずつなので、 決して大食ではない私も全部いただけた。卵料理は、目玉焼き。だし巻き、温泉卵からチョイスできる。
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もちろん味も良い。地元産のあゆの一夜干は繊細。豆乳にニガリを入れて作るできたてのおぼろ豆腐は単に美味しいだけでなく、 自分で作る楽しみも味わえる。黒豆、佃煮、塩辛、香の物などの御飯の友がすべて自家製で丁寧に作られており、風味があるのも何より。 肝心の御飯や汁も美味しいので、昼食抜きを決めてたっぷりといただいた。
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那須の象徴である茶臼岳(写真左端)までは、宿から車でほんの15分ほど。 チェックインの日に、雪をいただき、噴煙を上げる山頂を綺麗に見通せる天候にも恵まれた。 翌日朝食をとっている時、一晩に5センチほど車に積もった雪を1台1台スタッフが落としているのを発見。 こうした細やかな心づかいに、何だかとってもうれしくなってしまった。
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<泊まってみて>
正直なところ、和モダンの旅館として見ると、ハードの完成度はいまいちのように感じました。 館内のパブリックスペースにはあと一工夫という部分があり、普通の部屋だったせいかもしれませんが、 一時代前の旅館のような部屋にも感性はあまり感じられませんでした。ところが、若いスタッフのきびきびした動きや、 宿泊客の立場にたった細やかな心づかいなどにふれるにつれ、宿に対する自分自身の評価がぐんぐん高まっていくのを実感しました。 そして、満足度最高の朝食。帰る直前には絶対にまた来たくなる、山水閣は、そんな宿だと思います。 1月中旬の時点で3月末までの週末はすでに満室の様子。そんな人気を支えているのはサービスの質に違いありません。
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編集後記 | From editors
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1月8日付日経新聞に「高級ホテル地殻変動」という見出しで、外資系ホテルが国内の最高級ブランドとして定着し、国内資本のホテルが巻き返しをはかっているという記事が出ていました。平均客室単価と稼働率から言うと、だんぜんパークハイアット東京が強いとのこと。雑誌の人気ホテルランキングでも上位を占めるのは外資系。これから先、日本を代表するホテルは、外資系ホテルになってしまうのでしょうか。さて、来週は北海道から、いろいろな意味で注目を集めた本格的なリゾートホテルをご紹介します。今年は例年にくらべてどのスキー場も積雪が少ないようですね。もっと積もってほしいと思う今日この頃です。
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