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このメールマガジンは、実際に泊まったホテル・リゾート・旅館を、泊まった人の視点でご紹介する目的で 発行しております。
国内、海外をアットランダムに取り上げていきますが、将来きちんと整理してデータベースにしていこうと思っております。
最近、古い旅館の外観や躯体をそのまま残して、モダンな内装にリニューアルしたデザイン旅館が多くなってきました。
今回ご紹介する湯どの庵もそのひとつです。著名な文化人が利用した由緒ある旅館が、家具デザイナーの手によって評判の宿に生まれ変わりました。
ただ、実際に泊まってみると、かなり個性的で、人によって好みが分かれる宿ではないかと感じました。その理由とは・・。 |
「ホテル・アーカイブズ通信」 発行人 |
次号は3月16日(火)発行です〜1週お休みのお知らせ
いつも「ホテル・アーカイブズ通信」をご愛読くださり、ありがとうございます。
本誌は毎週火曜日に発行しておりますが、取材を兼ねた旅行のため、3月9日(火)は休刊させていただきます。
次号は3月16日(火)に発行いたしますので、ご了承ください。 |
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Volume.39
Released at 02 Mar. 2004 |
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湯どの庵 |
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名称: |
湯どの庵 |
所在地: |
山形県鶴岡市湯田川乙35 |
TEL: |
0235-35-2200 |
FAX: |
0235-35-2200 |
室数: |
14室 |
主な施設: |
食事処 大浴場2 |
URL: |
http://www.kameya-net.com/yudono/ |
プロフィール: |
鶴岡の湯田川温泉にある古い旅館を、2001年家具デザイナー岩倉榮利氏プロデュースのもとにリニューアル。
岩倉氏デザインの家具がたくさん使われている。湯野浜温泉亀やが経営。 |
泊まった部屋: |
203号室 1名1泊2食休前日料金 16,000円(税別) |
撮影時期: |
2003年11月 |
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写真をクリックすると拡大写真がご覧になれます。 |
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玄関左手にあるバーラウンジ。靴を脱いで上がると、ここに通され、お茶をいただきながらチェックインする。
基本的にスタッフが客室へは立ち入らないとのことで、館内の説明はすべてここで受ける。
バーがいい雰囲気だったので、夕食後立ち寄ってみたがクローズされていたのは残念。 |
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大きな窓から内庭を眺められるロビーラウンジ。座るとふわっとした感触のソファが心地よい。
大浴場で一風呂浴びた後、用意された美味しい水をいただきながら、ぼうっとしていた。 |
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客室へつながる回廊手前左側にある坪庭を臨む一角。インテリア雑誌の1ページを見るような、絵になる風景。
ライブラリーから借りた本を読んだり、手紙を書いたりするのによさそう。 |
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湯どの庵を紹介する雑誌には必ず出てくる回廊。黒光りする床板と白い壁。夜は効果的な照明で、さらにいい雰囲気になる。 |
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泊まった部屋は、30平米弱の広さでトイレと洗面スペースがついている。
ドアを開けると、小さな玄関間にクローゼットが置かれ、スリッパを脱いで部屋に入るような造りになっている。
床暖房のおかげで足元が暖かい。 |
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一段高くなったスペースには、すでに布団が敷かれ、その横に小さな卓とイサムノグチの照明が置かれていた。
上の写真とこの写真を見比べてみるとわかる通り、窓が高すぎる所と低すぎる所にあるうえ、内側に簾が下ろされている。
ためしに開けてみたところ、目の前は隣の建物だった。外を見るための窓ではない。 |
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右側が部屋の入り口。家具類は岩倉氏オリジナルのもので統一感がある。 |
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洗面スペースには、湯どの庵オリジナルの、温泉成分を使ったという手作り石鹸が置かれていた。
泡立ちがよく、洗い上がりもしっとりしている。 |
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男女別の大浴場は、檜造りと石造りの2種類あり、これは石風呂。孟宗竹でも有名な湯田川温泉。
竹林をイメージさせる庭が見える。ぬるめのお湯なので、長時間つかっていられた。
24時間入浴できるうえ、午後8時に男湯と女湯をチェンジされるので、両方楽しめる。 |
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和室にテーブルと椅子を置いた食事処の個室でいただいた夕食は、地元の素材を生かしたフレンチ懐石。
ハタハタの湯びきなどめずらしい皿もあったが、全体に薄味が続いて少々物足りなさを感じた。
メニューの発想はすばらしいので、味つけにメリハリをつけるとより良いコースになると思う。
写真はメインの三元豚を使ったお料理。メニューは月ごとに変わるとのこと。 |
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朝食は、とてもシンプル。HPによると1,500円の料金のようだが、もう少し値段を上げてもよいから、内容を充実させるといいのではないかと思った。
宿の最後のホスピタリティの見せ場としては、ちょっとさびしい。 |
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しばらく前から泊まってみたいと思い、かなり期待していましたが、いいと思う点とこれはどうかなと思う点が混在していました。
コンセプトやデザインはすばらしく、さらに客室の床下に空気清浄のため炭を敷き詰めたり、オーガニックワインを揃えたりするなど健康に配慮した点もいいと思いました。
しかし、食事の他、客室の防音が十分でなかったり、食後酒を楽しむスペースが閉まっていたりといった点はマイナス面です。
客室からの眺めをばっさり切捨てた究極のお籠り型という試みはとても斬新だと思いますので、濃密な時間を共にしたいひとと滞在するにはぴったりでしょう。
一方、客室で景色を眺めながらゆっくりしたい方には期待はずれかもしれません。 |
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明日は桃の節句。平安時代の貴族をかたどった人形を飾るお祭りということは、もう千年続いているわけです。
雛人形に限らず、日本旅館の建物や家具調度に昔の職人技の数々を見るにつけ、古いものを残してほしいという思いが強くなります。
ものによっては、もう作ることができないと聞くとなおさらです。
京都の町屋をレストランや喫茶店に改造したり、古民家を移築して旅館や自宅にしたりと、いろいろな方面で「歴史」を途絶えさせない試みがされているのはうれしいことですね。
さて、来週お休みさせていただいた後、イタリアのホテルを16日から3週連続してご紹介します。
年度末でお忙しい方もいらっしゃることでしょうが、そんな時ほど意識してオフタイムを取ることをおすすめします。 |
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