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このメールマガジンは、実際に泊まったホテル・リゾート・旅館を、泊まった人の視点でご紹介する目的で 発行しております。
国内、海外をアットランダムに取り上げていきますが、将来きちんと整理してデータベースにしていこうと思っております。
ハードに魅力があって、そこにいるだけで非日常感を感じるようなホテルや旅館がある一方、ハードはどうってことないが、のんびりできて美味しい料理をいただける、それだけの理由で訪れる宿もあります。
今週ティンブリーミーさんがご紹介してくれる鷹ノ巣温泉の喜久屋もそんな宿の一つです。
ここで出される山菜料理は、一部の食通には有名なほど洗練されていて、一度味わう価値があるとのことです。 |
「ホテル・アーカイブズ通信」 発行人 |
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Volume.49
Released at 18 May. 2004 |
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四季の郷 喜久屋 |
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名称: |
四季の郷 喜久屋 |
所在地: |
新潟県岩船郡関川村鷹の巣1076-1 |
TEL: |
0254-64-2393 |
FAX: |
0254-64-1221 |
室数: |
12室(うち露天風呂付き離れ8室) |
主な施設: |
温泉大浴場、露天風呂 |
URL: |
なし |
プロフィール: |
1965年に開業。独自の保存法によって一年中いつでも山菜や野草料理を提供する宿として知られる。
近年離れの部屋ごとに食事処を設け、料理旅館としてのファシリティも充実してきた。
手に入りにくい地酒も取り揃えて、予想を超える洗練された山菜料理の魅力をさらに引き立てている。 |
泊まった部屋: |
錦藍荘 2名利用 1泊2食1名分 25,000円(サ込み税別) |
撮影時期: |
2004年3月 |
投稿者: |
ティンブリーミー |
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写真をクリックすると拡大写真がご覧になれます。 |
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新潟市の北西、車で1時間半ほどの山あいにある鷹ノ巣温泉は、朝日岳を源流とする荒川の清流沿いにある。
自家用車でここを訪れた客は、車を荒川にかかるつり橋の手前の駐車場に停め、長さ50米ほどの橋を歩いて対岸にある宿に向かうことになる。
この橋、タクシーは通行可とのことで、結構幅も広いが、それでも歩くと十分ゆらゆら揺れる。隠れ宿にぴったりのエントランスである。 |
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荒川の対岸から見た喜久屋。川に面した左から2軒目の建物が宿泊した離れ「錦藍荘」。
つり橋の対岸には、喜久屋と鷹ノ巣館のたった2軒の旅館があるだけなので、隠れ家的な要素が非常に強い。
宿のエントランスや離れの外観には特徴がなく、どちらかと言うと平凡なので、ともかく早く離れに入ってしまい、荒川の流れと向き合うことがおすすめ。 |
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錦藍荘の部屋は、12.5畳の居間と荒川に面した6畳の食事処からなり、豪華さはないが広さは十分。
訪れた3月末は夜間の気温が氷点下となるため、大きめのこたつが居間の中心に鎮座していた。
カップルばかりでなく、家族連れにも向く素朴な雰囲気を感じた。 |
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真ん中にある天然木のテーブルが食事に使われる。これだけ窓に近いと荒川の広い流れが一望の下に。
流れは比較的緩やかだが、それでも川の音は大きく感じられ、そこに時折鳥の鳴き声が混じる。
川の眺めが何よりのご馳走だが、8棟の離れの中には川に面していないものもあるので、予約の際にはご注意を。 |
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部屋付きのお風呂は、内湯と露天風呂の両方が楽しめる。ちょっと熱めのかけ流しで、浴槽に流れ込む湯量の大小で湯温を調整する。
寒い季節だったので、昼は露天、夜は内湯を楽しんだが、これはお好み次第だろう。このほかに共同の露天風呂があるが、眺望がなく、平凡な印象だった。 |
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実はこの宿、山菜中心の料理自慢の宿として一部では有名な旅館であり、宿泊の動機は、春の来るのを待ちきれずに、一年中味わえ、まるで採りたてのようだと聞いた山菜料理を味わうことだった。
写真の前菜もすべて山菜だが、味付けのバリエーションが実に見事で秀逸。よほど保存がうまいのだろう、去年のものということが信じられない味だった。 |
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魚や肉も出るが、主役の山菜は20種類近く供されたのではないだろうか。もみじの天ぷらは、「宿泊は3月でした」ともう一度断わる必要があるほど色鮮やかで、味も確かである。
そして、ここは新潟。1合×3本の「越後の地酒飲み比べ」(2,000円)が絶妙だった。
何種類かの中から極上吉乃川(吟醸)、〆張鶴(月)、麒麟山(伝辛)を選んだが、まさに至福の味で、新潟の酒は奥が深い。
ちなみに、もっと高価なセットもある。 |
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夕食の締めに出されたのが、地元岩船産コシヒカリの焼きおにぎりに塩引きの鮭を合わせた茶漬けだった。
新潟の宿だけに、最後は当然コシヒカリの白い御飯と思わせておいて、いい意味での変化球である。
白い御飯は朝にいただけばいいし、料理自慢の宿にふさわしい締め、そして夕食だったと感じた。満足感は大きい。 |
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そのコシヒカリの白い御飯が主役に見える朝食の膳。ここでも山菜が大活躍で、採れたてのシーズンに訪れたらもっと美味しいのかと思ってしまう。
右上に見えるいくらが乗っている一品が越後名物の「のっぺ汁」。旅人には地場の食材や郷土料理が嬉しいものだと、心から思った。 |
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部屋に用意されていたレギュラーコーヒー(無料!)は、純和風の宿だけに嬉しい。聞けば、このサービス、始めたばかりとの事。
長い間料理と温泉で勝負してきた宿が、食事処を設けたり、こうした工夫をして、さらに客の満足感をアップさせようとする姿勢に好感をもった。 |
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宿から車で40分ほどの城下町村上は、町屋(商家)めぐりが楽しめるおすすめのスポット。
特に、春の「お人形さま」、秋の「屏風まつり」には、60軒以上の旧家の中をのぞくことができる。
写真は、「味匠吉(七が3つのキ)っ川」の店内で風乾しされている三面川の鮭。この作業によって旨味が何倍にもなると聞いた。
ここに限らず、伝統のある村上の商家は面白い。 |
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ふきのとう、わらび、こごみ、たらの芽と言えばフンフン。山うど、行者にんにく、あさつきと来ればフーン。
そして、みず、かたくり、野かんぞうの花、あけびの芽、しどけ、あいこ、もみじの葉と並ぶと、これはホーッと感心させられる世界が広がります。
苦味、香味を伴った山の精気を感じさせる山菜をたらふく食べると、普段の食生活で汚れてしまった血が綺麗に、さらさらになっていくような気がして、何か体が洗い清められたように感じました。
建物だけでなくサービスも素朴で、「春になると、お客様のお相手よりも、1年分を採る山菜とりの方が大変なんですよ。山のように採ってきても、火を通すとほんのちょっとになってしまって。」
などという仲居さんの言葉が良い酒のつまみになったりして、ほんわかと気持ちが良くなる宿でした。 |
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今年はオリンピックの年。ここのところ、女子バレーのTV観戦にはまっていました。オリンピックやワールドカップとなると、つい「がんばれニッポン!」という気になってしまいます。
アテネでは日本女子の参加種目が男子より多いのではないでしょうか。メダルへの期待も高く、夏の来るのが楽しみです。
さて、来週は創刊してちょうど満1年、第50号を発行します。記念すべき、この号では、ローマにあるほんとうに美しいホテルをご紹介します。
空気もすがすがしい5月。晴れた日にはオープンエアのカフェでのんびりしたいものです。 |
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