Today's hotel |今日のホテル Volume.57
Released at 20 July 2004

THE SAIHOKUKAN HOTEL
画家や文豪とゆかりのあるシティホテル
サイホクカン・ホテルのメインバー「SEIJI」は、午後はティーラウンジとして営業しています。季節と天気に恵まれた日には室内と外を隔てる扉が開け放たれ、ケヤキやヤマボウシの緑に囲まれた庭園にもテーブルが並べられ、セミオープンの開放的な空間となっています。
ホテルがあるのは、オフィスビルや民家が立ち並ぶ長野市街の一角です。でも、SEIJIのテーブルには信州独特のさわやかな風が吹きぬけ、まるで森の中のホテルにいるように感じさせてくれます。
アートが数多く飾られた落ち着いた館内の雰囲気や、随所に細やかな気づかいが感じられる客室の居心地もなかなかもの。
110余年の歴史を持つ小さなシティホテルは、日本の地方都市には珍しい珠玉のような宿でした。
photo1 | The Peninsula Hong Kong
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基本情報
名称: THE SAIHOKUKAN HOTEL
所在地: 長野県長野市県町528-1
TEL: 026-235-3333  フリーダイヤル 0120-35332
FAX: 026-235-3365
室数: 89室
主な施設: レストラン5 バー
URL: http://www.saihokukan.com/
プロフィール: しばらく前まで長野ホテル犀北館という名称で知られ、1890年に開業し1世紀以上の歴史を持つ長野の老舗ホテル。冬季オリンピックの際には世界各国からのVIPを迎えた。
泊まった部屋: 本館シングルルーム 一休.comのプランで 1泊朝食付き1名 10,500円(税サ込み) 
撮影時期: 2004年5月
投稿者: たけお

詳細情報

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ホテル正面外観

1890年に犀北館という名前の旅館として創業したホテルは、1977年に7階建ての南館、96年長野市景観賞を受賞した5階建ての本館(写真)が建てられ、シティホテルに衣替えした。
夏目漱石も宿泊したことがあり、その時々にゆかりのあった芸術家の作品が数多く館内に飾られている。ちなみに、和食堂の中にある料亭には犀北館時代の建築が再現され、当時の美術品も飾られている。
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東郷青児氏作のステンドグラス

SEIJIというラウンジの名前は、てっきり小澤征爾氏から来ているのかと思ったら、まったく違っていた。バーカウンター横にあるステンドグラスの作者、東郷青児氏の名前が由来であった。バーとはいえ午後にはラウンジとして営業しており、英国式のアフタヌーンティーの他、ソフトドリンクが供される。アイスティーは、客が選んだ茶葉を濃く抽出し、氷の詰まったグラスに注ぎ込んで作ってくれる。きちんとした仕事ぶりが嬉しい。
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地元の人も集まる癒しの場

バーカウンターを「SEIJI」の入り口から見たところ。少々わかりにくいが、正面奥に東郷青児氏制作のステンドグラスが見える。
昼夜ともに地元の方の利用が多いということで、宿泊者だけでなく、長野市民にとっても貴重な癒しの場になっていると感じた。
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居心地のよいパブリックスペース

広々としたロビーには、さまざまなアートが飾られており、腰を下ろせる所がそこここにあるのがうれしい。
このくらいの規模のホテルだからできることだと思うが、シティホテルでありながら、くつろぎと隠れ家的要素が随所に感じられる館内である。
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アートがあふれる館内

バー「SEIJI」の前のロビーラウンジに置かれたソファーと中川紀元画伯の絵。中川画伯はホテルと並々ならぬゆかりがあるらしく、ホテル内にたくさんあるアートの中でも点数の多さで際立っている。和食堂「紀元茶寮」は、画伯の名前を取って名づけられている。
ちなみに、館内にある各レストランの名前は、中華が「寒山拾得」、カジュアルダイニングが「エピドール」というようになかなか凝っていた。
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寝心地のよいベッド

宿泊したのは20平米のシングルルーム。
クイーンサイズのベッドは適度に硬めで体が沈み込まないので寝心地がよく、翌朝気持ちよく目覚めた。枕は硬軟2種類から選べる(もちろん2枚重ねでも良い)。
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充実したTVのチャンネル

TVや冷蔵庫はラックの中に入っているため、視線の邪魔にならない(写真は扉を開いたところ)。TVのチャンネルに、地上波以外にNHK衛星やCNNの他、BSフジとBS朝日が入っており、充実していたのがよかった。
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ベッドから眺める景色を計算して

部屋の窓の下半分がすりガラスというのは初めてだった。すぐ下が駐車場であるうえ、駐車場の向こう側にオフィスビルがあるので、外からの視線をさえぎるためだろう。
それほど見にくい眺めではないし、もっと近くに向かいのビルがあるホテルはたくさんある。別にすりガラスにまでしなくとも、と思ったが、ベッドに寝転んで見ると、街は見えず里山の緑だけが視界に入ってきて、何とも眺めが良い。やっぱり気がきいている。
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クォリティの高いアメニティー

バスルームは広めで、浴槽も大きかった。タオル類にはホテル名が金文字で、バスローブの胸には東郷青児氏作のステンドグラスが刺繍されている。このバスローブ、柔らかくて肌触りが良い上に、若干長めではだけにくいという、なかなかのスグレもの。
バスジェルもあるアメニティーはほとんどオリジナルの物。水回りも良く、浴槽に湯を入れるのも2分半くらいしかかからない。一方、換気装置をつけっぱなしにしないと、シャワーカーテンがやや臭うのが残念。
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ひと手間かけた朝食

朝食は「紀元茶寮」か「エピドール」でとる。今回はエピドールでいただいた。
サラダ、ジュース類、コーヒー、紅茶、ヨーグルトはレストラン中央の丸テーブルから好きなものを選ぶビュッフェ形式で、パンと卵料理は席で注文すると焼きたて、作りたてのものが運ばれてくる。写真のオムレツには、ケチャップでなく、軽めのトマトソースが別添えで出てきた。ヨーグルトの中に、干しイチジクのシロップ煮が添えられていたのが気に入った。
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From Editor | 編集後記
新潟、福井で相次ぐ大水害が起こり、被害にあわれた方々には心からお見舞い申し上げます。 たまたま新潟の水害を新幹線の車窓から目撃しました。燕三条駅付近でしたが、茶色くにごった大量の水が河川敷や水田をおおっている様子は、見ているだけでもこわかったです。 新幹線の鉄橋も橋げたにかなり近いところを濁流が流れていましたので、よく不通にならなかったと思いました。 どうも近年、比較的おだやかだった日本の気候が様変わりしてしまったのかもしれませんね。

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