べにや無何有は、室内にいながら外の自然と一体になれるような空間、木もれ日の柔らかな光が建物の中にいてもしみ込んでくるような空間で満ち満ちています。
たとえば、洋室の客室は、天井高いっぱいの大きな1枚ガラスの窓のおかげで、赤松やカエデが茂った庭に面した広いウッドデッキと連続しているかのように感じさせます。
ロビーや図書室(写真)などのパブリックスペースも、インテリアを最小限に抑え、外の緑と融合したようなくつろぎ空間が形成されています。
新館の客室に向かう渡り廊下は、屋根だけが付いた森の中のセミオープン空間になっていて、バリ島にあるアマンダリのヴィラに向かう「森に囲まれた村の中のような道」を想いださせます。
北陸という雪国ですから、熱帯のリゾートのようにはいきませんが、できる限り外と内の境界をあいまいにして、自然と人工が組み合わさった洗練されたリゾート空間を作り出す。
そのもくろみは、みごとに成功し、「何もしないでいること」に心地よさを感じる時間が提供されています。
椅子の座り心地、ベッドの寝心地、アメニティなども十分配慮されており、中でも、食事の水準が非常に高いことに感心させられました。
本格的なラグジュアリー・リゾートに滞在するつもりで訪ねても、ゲストを失望させることのない日本屈指の和のリゾートだと思います。 |
|