最近、旅館革命とまで呼びたいほど、リニューアルした小規模旅館が各地にあります。これらの旅館の共通点は、オーナーが30代、40代の若旦那&若女将で、食事処を設けて部屋食を廃し、館内が和モダンになっているといったところでしょうか。これまでとは異なるハード、ソフトのコンセプトを持つ、こうした旅館を「次世代RYOKAN」と名づけてみました。
見た目にはどこも似たり寄ったりという側面もありますが、個々の工夫の現れ方にはやはり個性があると思います。今回ご紹介するお宿ふるやも、2004年4月にリニューアルしたばかりの次世代RYOKANの1軒です。
実際泊まってみて、シンプルなインテリアのあちらこちらに、手作りのオブジェや相田みつを風の書が飾られ、何ともほのぼのした気分になりました。ごく普通の客室ですし、眺めるにふさわしい庭もありませんが、心がほぐれる旅館なのです。その理由を勝手に分析してみたら、ハード、ソフトに「温かさ」をうまく表現しているからではないかという結論に達しました。接客業では当たり前のように思われる「温かさ」ですが、素直に感じさせてくれるホテル・旅館は、そう多くはありません。そんな中で、お宿ふるやは印象に残る1軒になりました。 |
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