葉渡莉の和モダンの極みのような露天風呂付き客室は、定番のアイテムが並んでいても、やはり魅力あるものでした。高級旅館の象徴のような分厚い座布団と脇息が並んだ和室と、フローリングのベッドルームとの対照的な造りがまず秀逸で、ライティングも凝ったものです。
12畳半の和室と約10畳のベッドルームに、どれも十分な広さの露天風呂、ベランダが付いているという部屋は4人家族でも狭さを感じないでしょう。葉渡莉の場合、これに大型のフラットTV、自動マッサージ機、空気清浄機、ミストサウナなど、最新鋭の機器が加わります。部屋付きの露天風呂もTV付き。これにはちょっと驚きました。
部屋のハード面は文句なしで、通常客室よりも値段の張る露天風呂付き客室の方が人気という状況がよくわかる部屋でした。
以前、「よろづや」という名前だったこの旅館では、団体客に頼らない旅館経営を目指す作戦が功を奏し、現在、お客様の7割が女性、8割が個人客と聞きました。ロビーやショップの造りは美しく整備されていても昔ながらの大型旅館を感じさせますし、館内のクラブや夜食処も個人旅行には余計ものですが、旅行市場の変化に即した大型旅館の「変身」を十分に感じさせる優れた宿だと思います。
水準以上の、でも「すばらしい」とまでは言えない食事をあと一工夫すれば、さらに輝きを増す宿になると感じました。 |
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