1868年に創業した海産物問屋の由緒ある建物を利用して、会津の伝統料理を提供する料理屋と宿を営む「渋川問屋」の宿泊棟が、11室を4室に減らす大幅なリノベーションによって、魅力的な和風オーベルジュに生まれ変わりました。
宿泊した「藤の間」は、4室の中で一番広く、写真手前に洋室が、奥に二間続きの和室があるスイートルーム。奥の和室にある朱塗りの柱や壁が鮮やかで、これが部屋全体を和モダンの色彩に変えています。写真の左手奥は、洗面所、洗い場付きの浴室、独立したトイレがあります。このほかに、洋室+和室のスイートが2室、和室が1室。ロビー、図書室、貸切風呂。ゲストがゆったりと過ごせる空間が準備されています。
ここは、2005年のはじめまでは、1泊2食でひとり1万円余りの簡素な宿でした。「会津若松市内や近くの東山温泉にたくさんある1泊1万円台の宿との差別化を図るために、部屋のグレードを上げました。」と語るご主人は、「グループ旅行の方が多いので、4〜6人でゆったりと宿泊し、おしゃべりも楽しめる部屋を作りたかった」とコンセプトを語ってくれました。実際、この部屋は、最大6名泊まった場合、1名17,000円です。
海がないからこそ、ハレの日の料理は海産物だった土地柄です。渋川問屋の食膳には、干し貝柱、身欠きニシン、棒だら、塩鮭といった乾物を使った伝統料理が洗練された出汁を身にまとって現れます。朝食の質は、以前に比べ向上しました。女性同士やカップルのちょっと贅沢な旅にぴったりの宿だと思います。 |
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